ブリッジを使っていると噛めなくなる理由

愛媛県新居浜市より

お越し下さった患者さんのご相談です。

 

歯周病が進行し
奥歯を2本抜かれた後
2本を繋いで4本分のブリッジ治療を
されておられました。
ブリッジを入れた後は
「これでまた噛めるようになるんですね!」と
とっても喜ばれどんどんお食事をされていたそうです。
2~3年たち
だんだんブリッジがグラグラとして
お食事の時に噛むと神経に触るような痛みを感じます。
冷たいもの
熱いもの
甘いもの
さらには
ぬるいお湯を飲んでもキーンとしみるほどにまでの
症状でした。
そしてついには
ブリッジを入れている反対側の歯まで
グラグラと歯が揺れてきて
痛むようになり
歯医者さんへ行きました。
結果は
「もうこの歯は骨が溶け始めているので
歯を抜かなくてはいけません」
と診断されました。
抜いた後は、ブリッジにしましょう
と提案を頂いたそうです。
今、4本の歯を繋いでブリッジにしている部分が
グラグラしだしてこんなに痛くて噛めないのに
さらに、またブリッジ!!???
急に恐ろしくなったそうです。
 
 
「私のこの歯を抜いたらそのあとはどうなる?」
「もしかして一生このまま噛めないままの状態かもしれない?」
「本当にこの歯を抜かないといけないのだろうか?」
いろいろな
不安が頭をよぎり
ご友人の紹介で吉本歯科医院をお知り下さり、お越し下さいました。
歯を抜かないといけない
この歯はもう抜くしかない
と診断され
その後、多くの方はブリッジ治療を選択されます。
歯医者さんも
歯を抜いた後は「ブリッジにしましょう」というご提案をされる先生が
多いのです。
歯を失った部分に
入れ歯とブリッジとどちらがいいんですか?」
と先生にご相談されると
ほとんどの先生は
「ブリッジですね」
とおっしゃられます。
その理由は
入れ歯よりも
ブリッジの方が
噛んでも痛みを感じなく噛むことができるから
です。
ご自身で外していちいち洗浄しなくてもいいから、です。
脱着式の入れ歯を使うという精神的老化を認めなくてすむから、です。
では
ブリッジとはいったいどういうものなのか?
ブリッジとはその名の通り「橋」を意味します。
歯がなくなったところの
両隣の歯を支えにして橋渡しをする
ことを意味します。
ブリッジにすると
噛んだ時、歯茎にはそれほど力が伝わりません。
入れ歯は
噛むたびに、ギュウギュウと歯茎に力が伝わっていきます。
だからブリッジは
噛む時に痛みを感じにくいのです。
ブリッジは両隣の歯を大きく削り(健康な歯を削ります)
ひっかけを作ります。
両隣の歯にひっかけている状態のものが
ブリッジです。
ブリッジは
鉄棒に子供がぶら下がったようなイメージです。
両方の支えの2本の棒に
ぶら下がっているという状態ですね。
これを口の中とお考え下さい。
噛みます。
噛んだ時に、力はどこにかかりますか?
力が最もかかっているのは
両隣の歯
です。
つまり削られたあなた自身の健康な歯に
もっとも負担がかかっているのです。
ブリッジの大きなデメリットは
両隣の削って支えにしている健康な歯に
大きな負担がかかってしまう
ということです。
本来の何倍もの大きな負担がかかってしまうと
いうことです。
しかし
両隣のご自身の歯で噛む力を受けているわけですので
歯茎そのものにはあまり力がかかっていません。
比較的大きな力がかかってはいても
「痛い!」というところまで感じないのです。
そこが大きな落とし穴でもあります。
またブリッジは入れ歯のように
取り外しを行わないため見た目は自分自身の歯と同じです。
ですので違和感を感じません。
そういった意味で安易に
歯を抜いた後にブリッジを選択される方は
非常に多いです。
しかし
そのブリッジにも限界がやってきます。
グラグラしはじめたり
痛みがではじめた時には
もう手遅れである場合が多いのです。
手遅れとは
ブリッジを支えていたご自身の歯(削られた健康な歯)が
ダメになっていくのです。

 

歯の根っこを支える骨が溶けてしまったり
歯の根っこが割れていたり
欠けていたり
といった状態になっているケースが非常に多いのです。
 
 
ブリッジがグラグラして噛めなくなったんです。
ブリッジが外れそうで噛むと痛いんです。
 
というご相談でお見えになった場合
その多くはブリッジを支えていたご自身の歯の根っこが
折れていたりダメになっている場合がほとんどです。
そうなった場合には
もういよいよ歯を抜いてしまわなくてはいけない
ということになります。
ブリッジをすると
隣の健康だったご自身の歯が揺さぶられ
根っこごとダメになってしまうという
ことなのです。

そのことを
多くの方がご存じありません。

ブリッジ部分がグラグラになって噛めない状態にまでなってしまうと
その次には
歯を抜いて
入れ歯という選択になります。

もしくはインプラントという選択ですが
ブリッジにより長年異常なまでの噛む力により
骨が溶かされてきた方は
歯を支える骨が大きく溶けてなくなっていることがあります。
そうなるとインプラントをするにも
骨がない
骨が少なすぎてインプラントができない
という状態になってしまいます。

もちろん
骨を作る技術により
手術は可能ですが、期間と費用が
さらにかかってしまうということになってしまいます。

歯を抜かないといけないと診断された時
見た目も違和感がなく
ちゃんと噛めますよということで
ブリッジを選択される方が多いです。

 

 

ブリッジがお口の中に入った後
「さあ、これで噛めるぞ」
「さあ、これで普通の食事ができるぞ」
と今までのご自分の歯があった時と同じようなお食事の仕方
お食事の内容をされていると
大変なことになってしまいます。
そもそも
ブリッジには自分の歯と同じように
噛める能力(性能)など、ありません。
ブリッジ=橋渡し
なんです。
5本の歯をつないでブリッジにしているということは
通常5人で支えなくてはいけないところを
たったの3人で荷物を支え続けるということです。
しかも
奥歯にかかる力が
前歯の何十倍もの力になるのです。
ブリッジを選択される場合には
今まで通りの噛む力で食事はできない
ということを
知っておかれて下さい。
ブリッジも入れ歯も
ただの噛むための道具
です。
道具ですので
使い方があります。
ブリッジの使い方
ブリッジの限界
入れ歯の使い方
入れ歯の限界
インプラントの使い方
インプラントの限界
残されたご自身の歯の使い方
残されたご自身の歯の限界
それぞれの道具で
できることと
できないことが
必ずあるのです。
それを
「え?高額な自由診療で口に入れてもらったんだから
今まで通り噛んでいいんでしょ?」と
噛んでいると
あっという間に
ブリッジも故障します。
ブリッジが壊れるだけならいいですが
ご自身の歯まで一緒にダメにしていくのです。

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